どのような測定をしたいかが重要!
粘度計の購入にあたって高いものを買えば買うほど、精度の高い測定を行える可能性が高いのは事実です。ただし、その傾向は粘度計ゆえの特徴ではなく、一般論として成立するに過ぎないものです。つまり、どの程度の精度をもって粘度を知りたいかによって最適なメーカーや装置は異なります。安価なメーカーであっても十分に望みの粘度を把握できる場合は多くあります。そのため、あまり価格ばかりに目を向けず、幅広い視野で購入候補を探すのがおすすめです。
なお、粘度計にはさまざまな種類のものがありますが、現在市場に出回っているものは「細管式粘度計」と「落球式粘度計」、「回転式粘度計」の3つに分類できます。最近ではそれに加えて「振動式粘度計」のシェアも増えつつありますが、重要なのはそれぞれに特徴があり方式によって特異な測定内容も値段も大きく異なる、ということです。まずは安価なメーカーかどうかより、どの種類の粘度計を選ぶと良いかを決めましょう。
大きさや手入れのしやすさも重要!
粘度計の種類の選定にあたっては、基本的には世界標準とされており現在市場に最も出回っている「回転式」のものを選べばまず間違いはありません。これは、回転体の形により簡易的なものから精密なものまで好きな仕様の測定を実現でき、粘度のふるまいが複雑な非ニュートン流体の測定も行えることに由来します。ただし、回転式のものは基本的に装置自体がやや大きめなため外や持ち歩いて測定をしたい場合にはおすすめできません。持ち運びたい場合は「落球式」がおすすめです。
また、粘度計の使用にあたっては定期的に校正を行わなければ正確な測定を行えません。さらに、使った後の洗浄作業などの手間もかかります。そのため、提供している商品の値段だけでなく、アフターサービスに力を入れているメーカーかどうか、という観点にも注目するのがおすすめです。なお、手入れのしやすさを重視するなら作りが単純な「細管式」を選べば扱いやすくなります。
まとめ
粘度計を選ぶにあたっては、行いたい粘度測定の精度によって最適な装置は異なります。そのため、場合によっては安価なメーカーなものが自分の行いたい測定に最適な場合もあります。値段だけに目を向けず、どのような測定を行いたいのか。そこを明確にしたうえでどの種類の粘度計が良いのかまずは決めましょう。その際には、価格はもちろんのことどのような環境で測定を行いたいか、あるいはメンテナンスの手間などにも着目するのがおすすめです。